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□北村 光弘 - (きたむら みつひろ)
1956年、三重県生まれ。名古屋栄養学専門学院(現・名古屋文理短期大学)卒業後、学校法人大橋学園勤務。三重県内の調理製菓専門学校(四日市)学校長を経、中国料理を専門に料理全般の基本から応用までを教授。外食産業・食品会社の商品開発アドバイザー、看護専門学校の講師としても活躍。テレビ・ラジオ等でお菓子・パン・料理の紹介と解説を担当。日本フードコーディネーター協会(JFCA)会員。三重県農林水産支援センター・6次産業化・アグリビジネス支援アドバイザー。著書に中国料理レシピ集「つくっチャイナ」他。
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素材から新しい料理を作り出すときの喜び、あるいは「おいしかった」と言われたときの感動はたまらなく心地よいものです。
人が生きていくうえで必要とされる「衣」「食」「住」の中で、最も家族のコミュニケーションが取れるのは、「食」であると考えられます。日本人は長い食の歴史を経て、何処の国の人よりも自然との調和、移り変わる季節への賛美、そして繊細な味覚を受け継いできました。それは何物にも変えがたい私たちの誇りと宝でもあります。
食卓は家族の絆を強くする大切なコミュニケーションの場でもあります。美味しい料理に会話が弾む、豊かで楽しい食生活は、いつの時代にも求められるものです。料理は、丁寧な下ごしらえや、微妙な火加減、ちょっとした工夫でどんどん上達していきます。何よりも大切なのは、食材を私たちに届けてくれた農家の方々への感謝の気持ちと、それを食べてくれる人への愛情ではないでしょうか。
三重県は日本有数の水産県で伊勢湾の内海と外海の熊野灘を持っています。また山野も多く、海の幸・山の幸・野の幸の宝庫といえ、人々は自然とともに生きてきました。そのため、昔から信仰心が強く、祭りの多い県でもあります。
現代のように情報が発達し、地域の差がなくなってきた時代でも、土地柄というのは、必ずその地に残っています。例えばお米やお米とともに炊かれた水、ごはんの中に入れられる食材でさえ、そのすべてがその土地に根づいたものからできていて、各地の特色を生かしながら今日に伝えられているのです。人情もその土地独特のものがあるとすれば、心を込めて作られた農水産物からもその土地柄を知ることができ、作られている様子や、生産者の方々が伺えます。
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